3月25日(月)に熊本県産業技術センターを訪ね、馬門石等の成分分析を行いました。
分析は初めてでしたが、材料・地域資源室研究主任の大城善郎 博士が丁寧に教えてくださいました。
⓪粉末試料の作製
まずは、分析する岩石試料を粉末にします。ジョー・クラッシャーという機械で岩石を数回に分けて少しずつ小さく粉砕しました。
その後、試料にエタノールを加え、メノウのすり鉢・乳棒機でペースト状になるまでさらに小さくします。
1時間ほどかけて機械で乾燥させたら、成分分析のための粉末試料の完成です。
試料は、2つの分析を行いました。
①高出力波長分散型蛍光X線分析装置
1つ目は、高出力波長分散型蛍光X線分析装置です。
この装置を用いることで、試料に含まれる成分の組成比を知ることができます。
分析装置にかけるために、ひと手間かけて錠剤成形する必要があります。
乾燥して固くなった粉末試料を乳鉢と乳棒ですりつぶして粉末状にし、サンプル袋に入れます。
粉末試料を試料台に載せます。
錠剤成形器で粉末を圧縮し錠剤の形状にする。
試料を分析装置へ入れ、分析開始。
②小角X線回折付き高出力型試料水平X線回折装置(SmartLab-9R SAXS)
2つ目は、小角X線回折付き高出力型試料水平X線回折装置(SmartLab-9R SAXS)です。
試料に含まれる結晶から、例えば酸化鉄でも、Fe2O3やFe3O4のどれが含まれているかなどをデータ解析することで知ることができます。
まず、試料を専用のスライドガラスへ載せます。
そして、粉末試料の表面を平らにし成形します。見た目以上に要領が必要となる難しい工程です。
今回は、6試料を分析しました。
ご協力いただきました産業技術センターと、終日懇切丁寧にご対応してくださった大城さんに心より感謝申し上げます。
成分分析の結果については、お楽しみに。