大会2日目は、午前中に発表、午後は11のコースに分かれて巡検会が行われました。
地学班は、「フズリナ化石の世界的産地金生山!M8.0濃尾大地震の爪痕」のコースに参加しました。
金生山化石館(きんしょうざんかせきかん)
岐阜県大垣市にある化石を専門とする博物館です。
金生山は、2億5千万年前(古生代ペルム紀)、赤道直下のサンゴ礁に生息した、フズリナ、サンゴ、ウミユリ、巻貝、二枚貝などの化石が豊富に産出し、「日本の古生物学発祥の地」「古生物のメッカ」として知られています。
中でもシカマイアという二枚貝やウミユリは、世界一の大きさを誇っているそうです。
古生代の地質や化石は大変貴重で、なかなか見ることができませんが、多くの標本を実際に見ることができました。
金生山は石灰岩に覆われ、掘削される石灰の産出量は日本一だそうです。
以前は丘陵地でしたが、江戸時代から掘削が始まり、今では「岐阜のピラミッド」とよばれています。
根尾谷断層観察館の観覧および断層地形の観察
濃尾地震は、明治24年(1891年)10月28日午前6時37分に根尾谷を震源として発生した地震です。
推定マグニチュードは8.0、震度は7で日本の内陸型地震としては最大級の直下型地震でした。
延長約80㎞の根尾谷断層系のうち、水鳥(みどり)地区では、上下に最大6m、長さ1000mにもなる断層崖(だんそうがい)が出現し、これが「根尾谷断層」です。このような断層崖は世界的にも珍しく、近代地震研究のきっかけとなりました。
地震断層観察館は、ちょうど根尾谷断層の震央(震源の真上の地点)に建っています。
地震解説パネルや、根尾谷断層の立体模型(ジオラマ)などの展示物から地震について詳しく学習することができました。また、3Dシアターでは、縦揺れを実現した起震装置と3D映像で、地震の恐ろしさを実感できました。
断層トレンチが保存してあり、6mもの上下方向の変位をはっきりと目の当たりにすることができました。
館からすぐの場所に、根尾谷断層の断層崖で有名なあの写真が撮られた場所があり、現在の断層崖の様子を観察できます。
地震から100年以上時間が経っても、巨大な地震による大変動を実感することができました。
根尾谷断層の断層崖観察場所にある解説パネル
現在の根尾谷断層の断層崖の様子
世界的にも大変貴重な日本を代表する化石や地質を見ることができ、感動しました。
大変有意義な巡検会となりました。運営してくださった岐阜県の生徒や先生方、ありがとうございました。